住居のこと、お金のこと、支援のこと。個別の問題に対してまわりの人が「経験則」でアドバイスすることは可能です。しかし、家族の問題を法律的な枠に当てはめようとすると、収まりきらないものがあるはずです。なぜなら、根本は気持ちの問題だからです。愛情、葛藤、不安・・・答えがないからこそ、ご家族が積み重ねてきたものに目を向けるべきなのです。
たとえば成年後見。人権を守るはずの成年後見制度ですが、一度ついたら「外せない」というルールがあります。家庭裁判所から指定された場合は、見ず知らずの人に財産管理を任せることになり親族は一切手出しができません。
そうなると、いかに親族が成年後見になるか、いかに成年後見をつけないようにするか、というアプローチも大切な視点の一つです。それを実現するのが遺言であり、生命保険であり、信託です。そのためには司法書士、社労士、保険業の連携が取れないといけません。障がいの種類や程度によっても対策は異なります。ご家族の人間関係も考慮に入れなければなりません。一般論では解決できないところに対策の難しさがあります。だからヒアリングする人が必要なのです。障がい者の人権は、一人では守り切れません。